岩根典靖
概要
自動車用鉛バッテリの状態を検知するために,短時間で安定開回路電圧(OCV)を予測することが求められている。我々はこれまでの開発で鉛バッテリの分極緩和挙動が5次以上の高次指数関数で完全に表現可能であることを見出し,これを用いて短時間でOCVを予測する試みについてmilan米兰体育時報120号で報告している。実際に関数を用いるに当たっては,実際の電圧挙動に合わせて関数の最適係数を求める必要があるが,今回この演算手法として演算負荷の高い一般的な最小二乗法から,より演算負荷の少ない手法として知られる拡張カルマン・フィルタ演算に切り替えた演算を試み,その有用性を検討した。